簡単!電子出版:電子書籍の作り方を解説(タイプ別)
2021年8月9日更新
「電子書籍を作ってみたいけど、何をどうしたらいいの?」
そんなことでお悩みの方のために、この記事では、電子書籍の作り方についていくつかのタイプ別に解説いたします。
テキストファイルやワードファイルの原稿から電子書籍を作る方法や、原稿を直接サイト上で書いて電子書籍を作れる方法もお教えします。
これを読めば電子書籍を作るためのいくつかの方法と大まかな流れがわかります。
大丈夫! 本当にお手軽に無料で使える簡単な方法をお教えしますので、安心してください。
電子書籍を作るために必要なものとは?
最初に電子書籍を作るために何が必要かについて、簡単にお伝えいたします。
電子書籍を作る上で必要なものは、内容によりけりですが、たいていの場合は以下のようなものです。
・原稿
・表紙
・画像・図・写真など
他にもいろいろ準備する場合もありますが、最低限これだけあれば十分です。
画像や図などを使わないのであれば、原稿と表紙さえあれば、電子書籍は作れちゃいます。
電子書籍に必要なものが揃ったら、これらをまとめてEPUBというファイルを作成します。
実は、それさえ作ってしまえば電子書籍は完成です。
ほら、とっても簡単ですよね!
EPUBファイルの作り方は、いくつかありますので、この後じっくり紹介いたします。
次は、電子書籍の原稿や表紙をどうやって準備していけばよいのかを具体的に解説いたします。
電子書籍の原稿ってどうやって準備したらいいの?
電子書籍で肝心要の原稿をどのように用意するのかについてお教えいたします。
原稿はテキスト(txt形式)かワード(docx形式など)で用意しましょう。
テキストの場合、横書きになってしまいますが、EPUBファイルを作るときに縦書きにすることもできますので、気にしなくても大丈夫です。
ワードで原稿を用意する場合も、縦書きか横書きかはEPUBファイルを作るときに変えられるのでどちらでも大丈夫ですが、最終的に電子書籍で仕上げたいレイアウトと同じにしておいた方が無難です。
通常はとくにこだわりがなければ縦書きを選んだ方がよいでしょう。
縦書きの原稿の中に半角で英数字を入れた場合、他の漢字や平仮名は縦に並んでいるのに英数字だけが横倒れといって横向きに表示されてしまいます。
そのため、数字やアルファベットがたくさん出てくるのであれば、横書きを選んだ方がよいでしょう。
縦書きと横書きの違い、使い分けや注意点については、下記の記事をご参考ください。
いずれにしても、ワードで原稿を用意するときは、見た目のレイアウトを意識しておくことで、電子書籍になったときにレイアウトが崩れないので安心です。
ワードで太文字にすると、電子書籍でもそのまま太文字にすることができます。
またワードの「見出し」機能を用いることで目次を作成したり、章や小見出し(章や節の間に置く小さなタイトルのこと)として設定でき、これらは電子書籍でもそのままのレイアウトになります。
そのため、電子書籍のレイアウトにこだわりがあるひとは、ワードを使った方が思い通りに仕上がることができますので、おススメです。
原稿はレイアウトも大事ですが、それ以上に大事なのはもちろん中身です。
この記事では、原稿をどう書くのかについては触れませんが、もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、下記の拙著をご覧ください。
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それでは、次に表紙の作り方を見ていきましょう。
電子書籍の表紙ってどうやって作るのでしょうか?
「人は見た目が9割」という本がベストセラーになりました。
その後、「〇〇は□□が9割」という本が巷に溢れていますが、同じように「電子書籍の表紙も見た目が9割」といって過言ではありません。
本屋さんに並ぶ紙の本も手に取ってもらうには表紙や帯が重要ですが、電子書籍は紙の本以上に表紙が重要だと思います。
これはちょっと考えてみればすぐにわかる話です。
本屋さんで実際に本を探すときは、表紙やタイトルなどを見て何となく気になって手に取ったその本をどうしますか?
中を見ますよね?
最初の方から読み始めたり、目次を開いて関心のあるところだけを拾い読みしたりします。
私も本屋に立ち寄ったときは、おおよそざっくり読めそうな本ならその場でパラパラとめくって最後まで読んでしまいます。
その上で、これは家に持って帰ってじっくり読みたいと思うか、まあこれくらいならネットで調べたりできそうかなど、手に取った本を吟味します。
いますぐにでも欲しかった情報が満載であれば、読むのを途中で止めてレジへ向かいますし、おもしろそうだけど差し迫った必要性を感じなければ本を棚に戻します。
このように紙の本で当たり前にできることが、電子書籍ではできません。
電子書籍にも冒頭をタチヨミできる機能はありますが、あくまで最初の数十ページ程度です。
つまり、紙の本と違って、電子書籍は中身が見れないため、表紙の果たすべき役割はかなり大きいといえます。
前置きが長くなりましたが、電子書籍において重要な表紙をどのようにして準備したらよいのでしょうか?
一番のおススメは、外注です。
ここで二つの表紙を見比べてみましょう。
①
②
二つとも私の電子書籍の表紙です。
好みもあると思いますが、どちらの本を読んでみたいと思いましたか? あるいはどちらの方が目立つでしょうか?
①は素人である私が作成したもので、②はデザイナーであるプロに作ってもらいました。
やっぱり②の方がフォントも独特でクオリティーも高く、何より目立ちますよね?
外注する場合、だいたいの相場は表紙1枚で5,000円(税込み5,500円)から可能です。
外注のやり方ですが、クラウドワークスに代表されるようなクラウドソーシングサイトでコンペ形式で依頼するとよいでしょう。
もちろんデザインにこだわりのあるひとは、自作するのもわるくないですが、表紙一枚で人目の惹き方もまるで違いますし、当然それは本の売上にも大きく影響します。
ちなみに自分で表紙を作ってみたいというひとは以下のサイトがおススメです。
無料で使えるデザインテンプレートもたくさんあります。
ただし、表紙に使う画像などは著作権に十分注意しましょう。
原稿と表紙の用意ができたら、次はいよいよEPUBファイルの作成です。
EPUBファイルの作成方法(タイプ別)
電子書籍=EPUBファイルを作ることだと先に述べましたが、本当は電子書籍のファイル形式にもいくつかあります。
ただし、現時点では、EPUBファイルがもっとも一般的であるため、この記事ではEPUBファイルについてのみお伝えすることにいたします。
では、早速EPUBファイルを作成する方法についていくつかタイプ別に紹介いたします。
いずれも無料でEPUBファイルを作成することができる方法です。
1.テキスト(txt形式)の原稿から電子書籍を作る方法
テキスト(txt形式)で書いた原稿からEPUBファイルを作りたいという方は以下のサイトがおススメです。
サイトを開いてみてもらえばわかりますが、さくっと簡単にEPUBファイルが作れます。
操作はたったの5ステップです。
①「アップロードしてね」のところで”ファイル選択”のボタンを押して、原稿、表紙、必要に応じて画像などを選びます。
②「情報を入れてね」のところに”タイトル”と”作成者”を入力します。
③「ページ送り方向」で”横書き”か”縦書き”を選びます。
④「お好みでどうぞ」を任意で設定します。
・目次が必要な場合は、”目次ページ”にチェックを入れます。
・表紙を最初にしたい場合は、”表紙ページをスキップする”のチェックは外しておきます。
⑤最後にページの下の方にある”変換”という青い大きなボタンを押せば、EPUBファイルがパソコンにダウンロードされます。
操作自体は5分とかからないのではないでしょうか。
ただし、テキスト(txt形式)の原稿を用意する際にタイトルや目次となる章、また画像の挿入場所などをHTMLでタグ付けしておく必要があり、慣れていないひとにとってはこの作業が少し面倒に思うかもしれません。
しかしながら、でんでんコンバーターは、他の方法では必要な会員登録の必要もなく完全無料で使えるため、手軽にEPUBファイルを作りたいという方にはおススメです。
そのため、ワード(docx形式など)で原稿が用意できる方は、次の方法がよいかもしれません。
2.ワード(docx形式など)の原稿から電子書籍を作る方法
ワード(docx形式など)で書いた原稿からEPUBファイルを作りたいという方は以下のサイトがおススメです。
・Romancer(ロマンサー)電子出版のためのWebサービス
Romancerを使う場合は、会員登録が必要ですが、無料で始めることができます。
会員登録後にログインすると、”会員メニュー”に入ることができます。
Romancerは下記リンクのようにマニュアルがとても充実しています。
ワード(docx形式など)の原稿を使う場合は、”会員メニュー”から”ダッシュボード”を選んで、”原稿アップロード”に入ります。
”原稿アップロード”の画面で”新規追加”を押すと、原稿や表紙をアップロードするページが新たに開きます。
タイトルや著者名など必要最低限の事項を入力していきます。
”変換情報”のところで縦書きか横書きを選びます。
ワードファイルで章などを見出し設定しておけば、”目次ページ”の”自動生成する”にチェックを入れると目次が表紙の次に入ります。
「はじめに」や「まえがき」の後に目次を入れたい方は、ワードファイルであらかじめ目次を作成しておき、”目次ページ”の”自動生成する”のチェックは外しておきましょう。
Romancerでは、奥付といって、書籍の巻末に発行年月日などを記した書籍情報を作成してロゴなどを入れた画像として作成することができます。
この奥付があるだけでかなり本格的な書籍っぽくなるので、ぜひ作成することをおススメします。
すべての設定が完了したら、左下のポップアップにある”変換”という青いボタンを押せば、変換が終われば画面が切り替わります。
”ファイル情報”のところに”変換後ファイル”の横にあるリンク(・・・.epub)を押せば、EPUBファイルがパソコンにダウンロードされます。
このとき、Kindleで申請する場合は、(kindle専用)と書いてある方のリンクを押します。
これは、Kindleでは表紙と原稿を別々に登録する仕様になっているためです。
このようにワードファイルで作った原稿をEPUBファイルにすることができるのがRomancerの特長です。
実は、Kindleでもdocx形式のファイルをそのまま申請することは可能です。
しかし、docx形式で申請する場合、EPUBにしたときにレイアウトが崩れて思い通りにならないことが多いため、あまりおススメしません。
ワードで原稿を作成したい方は、RomancerでEPUBファイルを作成してレイアウトもばっちりな電子書籍を作りましょう。
またRomancerでは「NRエディター」といって、Web画面上に原稿を入力していって書き終えたらEPUBに変換できます。
つまり、この「NRエディター」を使えばテキストやワードがなくても電子書籍を作ることができます。
そこで、次はもうひとつ同じようにWeb画面上で原稿の作成から電子書籍まで作ることができる方法を紹介します。
3.テキストもワードも使わずに電子書籍を作る方法
テキスト(txt形式)で原稿を用意する場合は、タイトルや目次、画像の挿入箇所などをテキスト内でHTMLタグ付けというやや煩雑な操作をする必要があります。
ワード(docx形式)で原稿が用意できる場合は、Romancerのようなサイトで本格的な電子書籍を作ることができます。
これらの方法にはそれぞれメリットがありますが、Web画面上で原稿の執筆から電子書籍の作成まで完結できるサイトがあれば便利ですよね?
そんな方法に興味がある方には、下記のサイトがおススメです。
BCCKSでは、サイト上で原稿執筆から電子書籍の作成がすべてできるだけでなく、同サイト上で販売でき、また電子書籍を紙の本にして販売することもできます。
BCCKSも会員登録が必要ですが、登録後には書斎といって電子書籍を作成する画面ができます。
”書斎TOP”ページから”本を作る”を押すと「本格的につくる」か「さっくりつくる」かが選べます。
Web画面上で原稿を作りたい方は、「本格的につくる」の方、”bccks editorで詳細編集”のボタンを押します。
次に開いた画面でタイトルや著者名、出版社名を入力し、フォーマット、縦書きか横書きか、版型(文庫版、新書版など)を選び、決定を押します。
少し時間を置いた後、原稿を入力する画面が立ち上がります。
「見出し」と「本文」のウインドウがありますが、「見出し」は目次に反映する章や小見出しなどを入力し、「本文」に原稿を書いていきます。
BCCKSの原稿は、「記事」で構成されており、ひとつの「記事」に入力できる文字数に制限があるため、ひとつの「記事」をひとつの章と考えて原稿を作っていくとよいと思います。
新しい章を追加するときは、原稿を入力する「見出し」と「本文」のウインドウの右隣にある”あたらしい記事を追加”ボタンを押します。
原稿を直接画面上でタイプして入力していくか、別のソフトで書いた原稿をコピペしていきます。
左上にある”保存/発行”ボタンを押して、こまめにバックアップを取っていきましょう。
電子書籍の場合は、表表紙のみをアップロードすればよいですが、紙の本を作りたいひとは、背表紙や裏表紙も作成しましょう。
すべてが完了したら、”書斎TOP”ページで本の下に並んでいる”ダウンロード”のボタンを押すとEPUBファイルがダウンロードできます。
BCCKSの特長は、何といっても電子書籍が作れるだけでなく、紙の本も作れて、なおかつサイト上で販売もできることです。
電子書籍もいいけど、やっぱり紙の本も作りたいひとにとって、BCCKSは手頃でたいへんおススメです。
また便利な機能として、BCCKSでは「ストア配本サービス」(有料)があります。
これはBCCKSの他にKindleや紀伊国屋など12店の電子書籍ストアに販売できるというサービスです。
本来であれば、ストアごとに申請していかなければならないので手間を省きたいひとにとっては便利だと思います。
ただし、BCCKSの「ストア配本サービス」を使って出版した場合、Kindle Unlimitedの対象から外れてしまうので注意しましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
電子書籍を作るといっても、その方法はいくつかあり、また作った後にどのように出版していきたいかによって選択肢は変わってきます。
用途とご自身の考えに合った電子書籍の作り方をしていきましょう。
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