初心者向け! ライターとして文章を書くときの7つの心構え
インターネットの普及や電子書籍の登場によって、誰もが自由に文章を書いて読んでもらうことができるようになりました。
ブログやWebメディアを使えば、自由に文章を書いて多くの方にアプローチすることができます。
さらに、電子書籍作家やWebライターとして文章を書くことで、収入を得ることもできるようになってきました。
しかし、長きに渡って文章を書いていこうとするときにどのようなところに気を付けて、ライターとしてのスタイルを築き上げていけばよいのかは、意外に知られていません。
そこで今回は、初心者の方に向けて「ライターとして文章を書くときの7つの心構え」についてご紹介いたします。
この心構えを知れば、あなた自身の書くスタイルを築くことができ、プロのライターに一歩ずつ近づくことができます。
7つの心構えとは、次のとおりです。
- 調べなければならないようなことは書かない
- いま書けることを書く(すでに知っていることだけを書く)
- 自らの体験を織り交ぜて書く
- 毎日コツコツ書く
- アウトプットするためにインプットする
- 自分なりの文章の型・文体を築いていく
- 自分なりのスタイルを築き上げる
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
1.調べなければならないようなことは書かない
現役の作家やブロガー、Webライターなど「日頃から文章を書き続けているひと」が意識している「書くときに気をつけていること」をご紹介します。
書くときに「守っていること」といい換えることもできますね。
それはズバリ「調べなければならないようなことは書かない」ということです。
ちゃんと調べて正しい情報を書こう!というのは大変素晴らしいことですが、ここには大きな落とし穴があるのです。
調べていくと、わからないことが山のようにあると気が付いて、初心者の方は特にいつまでも調べ続けて文章が書けなくなってしまいます。
知らない分野を調べながら書くので、正しい情報なのか判断することも難しくなります。
また、情報が足りずに勘違いを誘発するような文章になることもあるでしょう。
その結果、「いい加減なことを書いてしまう」ということにもつながるのです。
さらに、知らないことを「知っているかのようにして書く」ため、自信がなくなってしまいます。
「〜だそうです」「〜だと思います」といういい回しなどが良い例で、文末に自信のなさが現れていますよね。
このように、調べなければ書けないようなネタには無理して手を出さないことで、結果として迷いのない良い文章を書くことにもつながるわけです。
無理に背伸びして書くのはやめて、ありのままで書くように心がけましょう。
2.いま書けることを書く(すでに知っていることだけを書く)
先ほどお伝えしたような失敗をしないためにも、「いま書けることを書く」という考え方が大切になります。
「いま書けること」というのは、これまでの人生で「知っていること」や「経験してきたこと」から文章を引き出して書くということを意味します。
調べなければならないことは書かず、自分が知っていることを書けば、初心者でもスムーズに筆が進むはずです。
学生時代から英語が得意なのであれば、英語の勉強法やおすすめの海外ドラマなどをブログにまとめてみる。
料理経験が長いのであれば、時短レシピや冷凍作り置きレシピなどをまとめて発信してみる。
読書が好きなのであれば、これまで読んだ本からおすすめの本を書評してみる。
このように、好きなことや知っていること、経験してきたことであれば、自信を持って良い文章が書けるようになります。
「自分の経験に価値なんてない」と考えるひともいますが、そんなことはありません。
どんな経験にも、必ずその情報を求めている読者はいます。
自信を持ってあなたの知っていることを書くところからスタートしましょう。
3.自分の体験を織り交ぜて書く
「どんな経験にも必ず読者はいる」とお伝えしましたが、ありきたりな情報をただ書いただけでは意味がありません。
誰でも知っていることをそのまま書いても、説得力がありませんし、記事に深みも出てこないのです。
インターネットで検索をしてみれば、同じような情報がいくらでも見つかる時代ですから、ありきたりなことを書くだけではいけません。
ついさっき「いま書けることを書きましょう!」といわれたところなのに、今度は「そのまま書くだけでは意味がない」といわれると戸惑ってしまうかもしれませんね。
しかし安心してください。「いま書けること」に1つポイントを加えるだけで、価値ある文章が書けるようになります。
必要なのは、「自ら体験したことを自分の言葉で書くこと」です。
そうすれば、あなたの書く文章にオリジナリティが生まれます。
あなたと同じような経験をしているひともたくさんいますが、そこで感じたことや学んだことなどはひとによって異なります。
その体験を自分の言葉で書くことによって「あなたの経験をあなたの言葉で書いたオリジナル文章」になるということです。
無理に背伸びして良い文章を書こうとするのではなく、自分の知っていること・経験していることを基に、いま書けることを書いていきましょう。
4.毎日コツコツ書く
いい文章を書くための毎日の心がけとしては「毎日コツコツ書くこと」が大切です。
文章はスポーツと同じで、日々のトレーニングによって少しずつ実力が身についていくものになります。
ライティングのノウハウを学んだとして、いきなり文章がうまくなることはありませんし、他人の良い文章を参考にして書いたとしても、そこには「勢い」や「メッセージ性」などが抜け落ちた文章にしかなりません。
「キーワードの使い方」や「いい回しの工夫」、「文章の前後のつながり」など、様々な要素が複雑に絡み合って文章の読みやすさや全体としての質が決まります。
同じ情報を同じ文字数で書いたとしても、書くひとが違えば、「経験」からくる表現の違いによってまったく違った印象の文章ができ上がるのです。
最初からうまく書けるひとなんていません。
文章は、毎日書いていくことで少しずつ上達するもので、ある日突然「グン!」と成長するものではないのです。
たくさんの文章を書くことで、自分のスタイルに合うような文章がどんなものなのかわかるようになりますし、文章を書くスピードもどんどん速くなっていきます。
文章を上達させる最短ルートは、毎日コツコツ書き続けることしかありません。
慣れないうちは毎日書くことが苦痛に感じるかもしれませんが、5分でも10分でも良いので、「毎日ほんの少しでも書く」「とりあえず原稿を開いてみる」といった意識で取り組むと良いでしょう。
5.アウトプットするためにインプットする
毎日コツコツ文章を書き続けるためには、「大量のインプット」が必要です。
なぜなら、インプットする情報が不足すると、その分だけ書ける情報量が少なくなるからです。
ここは1つ目にお伝えした「調べなければならないようなことは書かない」ということとつながっています。
すなわち、書くために何かを調べるのではなく、常日頃から「大量のインプット」をしておくことで、調べなくてもよい状態を作るということです。
そのため、「ただむやみやたらに大量のインプットすれば良い」というわけではありません。
アウトプットを意識したインプットをしなければならないということです。
例えば、仕事で「メールを書く」、「資料を作る」といった中にも「文章を書く」ということが含まれています。
ここで、アウトプットを意識するとどうなるのかというと、
- どんな風に書けば伝わるのか?
- 長く書けば良いのか? それとも短く書けば良いのか?
- 分かりやすく書くにはどうすれば良いのか?
といったことを意識することにつながります。
このように日頃からアウトプットを意識することで、誰かに何かを伝えるためにいま自分にどんな情報が不足しているのかがわかってきます。
6.自分なりの文章の型・文体を築いていく
続いて「文章を書き続けることの意味」について、少し深堀りをしていきます。
そもそも、なぜ毎日書くことが必要なのでしょうか?
毎日コツコツ書くことで「文章が上達する」とお話ししましたが、文章を上達させるためだけに毎日書くとなると、なんだか「目標のない筋トレ」みたいですよね。
文章を上達させるのであれば、その上達させた文章力を活用する「目的」があった方が、よりモチベーションを高く保つことが可能になります。
ただ、誰もが目標を持っているわけでもありません。
「小説家になるために文学賞を取りたい!」とか、「稼げるブログを作るために多くのひとに読まれる文章を書きたい!」といった、文章を上達させる目的がはっきりしているひともいれば、そうでないひともいます。
そんな目的や目標がない方であっても、やはり長期でコツコツ書き続ける魅力はあるのです。
それは、文章を毎日書き続けることで、「自分なりの文章の型、すなわち文体ができてくる」ということです。
どんどん書き方が進化したり、自分なりの色が出てきたりして、オリジナリティが育っていくわけですね。
例えば、漫画家の鳥山明さんの絵を見れば誰もが「あ、鳥山先生の絵だ!」と気がつくことができますよね。
自分の型を究極までに磨き上げることができると、このようなレベルに辿り着きます。
文章の世界でも同じです。
好きな作家の文章にひたっているとき、幸せを感じるという方も多いと思います。
そのひと独特の味わいは、長く文章を書き続けてきたひとにしか醸し出させないものなのです。
文章の型や文体は、ひとを楽しませるパターンや書き方・表現のパターンなどに溶け合うものなので、毎日書き続けるからこそ醸成されていきます。
そして、こうした「自分なりの文章の型・文体」を築いたひとこそが、文章の世界で何かひとつのことを成し遂げるきっかけを手に入れられるのだと思います。
7.自分なりのスタイルを築き上げる
毎日コツコツ文章を書くことで、次第に「自分なりの文章の型・文体」が築かれていきます。
そして「自分なりの文章の型・文体」が確立されてくると、文筆家としての「独自性」を持つことができるようになります。
あなたの文章が、他のひとの文章とは違う「オンリーワンなもの」になるわけですね。
自分なりの文章スタイルとは、自分の書き方ができるということに他なりません。
長く書き続けても疲れない!
この書き方だったらいくらでも書けるぞ!
プロの作り手は、いつでもこのような状態にいると思ってよいでしょう。
名探偵コナンの作者は、舞台設定、トリックの知識、登場人物などがすべて仕上がっているので、この物語ならいくらでも書けるぞ! という状態になっているわけですね。
蓄積してきたトリックの知識を活用して、新たな事件を考えたり、登場人物同士の駆け引きを巧みに描いて、読者をハラハラドキドキ楽しませる仕掛けが次々と溢れ出てくる状態になっているといえます。
自分にとって書きやすい環境、書きやすいテーマといった要素も、書きながらどんどん見つかっていきます。
文章の型・文体だけでなく、書く環境、書く時間、書き方なども含めて、そのすべてが「自分なりのスタイル」なのです。
この「自分なりのスタイル」を築き上げることこそが、プロの文筆家としての源泉ともいえるでしょう。
まとめ
初心者の方に向けて「ライターとして文章を書くときの7つの心構え」をご紹介させていただきました。
文章を書く目的や、文章を書くことによって成し遂げたいことなどは、ひとによって様々です。
ですが、多くのひとが自分ならではの文章を書きたいと思っているのではないでしょうか。
やはり自分が書いた文章でひとが心が動いて、共感してもらえたなら嬉しいですよね?
文章を書くという活動を続けていくにあたって、毎日の心構えから「文筆家」としての高みに近づいていくところまで広範にまとめてみました。
少し大げさに見えた部分もあったかもしれませんが、文章を書くということにコレだという正解はなく、誰でも手軽に取り組めることでありながら、かなり奥の深い世界でもあります。
本当はもっと楽みながら文章を書き続けていく方法をお伝えできるのが一番よいのですが、文章と向き合うことは楽しいことばかりではありません。
うまく書けなかったり、読んだ方から批難をされることだってあります。
でも、それでも自分を信じてあきらめずに書き続けてほしいと私は思います。
この記事が、文章を書くことを志すあなたにとって少しでも参考になれば幸いです。
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